コードを書かずに自然言語でアプリを作る|PSDD入門

生成AIの登場で、プログラムを書いたことのない人でも、自分の仕事に合った道具を作れるようになりました。ただ、思いついたことをそのまま頼むだけでは、動きはしても、欲しかったものとは少しずつずれた道具ができあがります。ここは、その「ずれ」をなくすために、作りたいものを先に言葉で決めてから作る——そういうやり方を、順を追って紹介する場所です。
自然言語で頼む、コード不要の道具づくり
プログラムを作ると聞くと、まず思い浮かぶのは、英語や記号が並んだ画面かもしれません。生成AIを使えば、その画面を自分で書く必要はありません。「こういう作業を、こう楽にしたい」と、いつもの言葉(自然言語)で伝えるだけで、AIがその通りに動くプログラムを組み立てます。プログラミング言語ではなく、日本語で頼めるということです。

これが意味するのは、外注や情報システム部門の手が空くのを待たなくても、あるいは市販のソフトがあと一歩届かない部分を、自分の手で埋められるということです。
現場の困りごとを一番よく知っているのは、現場の担当者です。その担当者が、コードを書けないまま、アプリを作る側に回れます。
コードが読めなくても、自分専用のアプリを作れる時代になりました。
頼む前に決める「作りたいものの姿」
便利な一方で、頼むだけのやり方には落とし穴があります。出てきたアプリが、そもそも何をするものなのか、自分の思った通りに動くのかが、コード未経験である本人に分かりにくいです。
生成AIの特性として、頼み方が曖昧でもAIが足りないところを勝手に補って形にします。その結果、動いているが、欲しかったものとは違う、という食い違いが起こります。

そこで、いきなり作らせるのをやめます。先に「何を作るのか」「どう動けば正解なのか」を、自分の言葉ではっきり決めておきます。その決めごとをAIに渡してから、作らせます。作りたいものの姿を先に固めるほど、出てくるアプリは狙い通りになります。
先に決めるのは、遠回りに見えるかもしれません。しかし、曖昧なまま作らせて、違うものが出るたびに頼み直すほうが、時間はかかります。最初に行き先を決めておくほうが、結局は速く、確実です。
作りたいものを先に決めることが、狙い通りの道具への一番の近道です。
Claudeと対話して決める、作りたいものの姿
作りたいものを先に決めるといっても、何をどう書けばいいのか、最初は分かりません。ここで役に立つのが、Claudeとの対話です。まず「どんな作業で困っているか」を、思いつくままに話します。Claudeがそれを受けて、順に問いを返します。答えていくうちに、ぼんやりした困りごとが、少しずつはっきりした形になります。

対話で確かめるのは、たとえばこんなことです。何を入れて、何が出てくれば正解なのか。どんな時に間違いになるのか。答えるだけで、作りたいアプリの中身が一つずつ埋まっていきます。専門の言葉を知らなくても、自分の現場の言葉で答えれば進みます。
こうしてできあがるのは、困りごとと、それを解決するアプリの姿を、言葉で書き表したものです。これが、AIに作らせるときの設計図になります。困りごとを具体化し、その解決策としてのアプリを形にする。この対話が、道具づくりの本当の出発点です。
困りごとを対話で具体化したものが、そのまま作りたい道具の姿になります。
プログラミング初心者のための最初の一歩
ここまでの流れは、プログラムを書いたことのない人に向けたものです。難しそうに見えても、実際にやることは、Claudeの問いに自分の言葉で答えていくだけです。まずは、小さなアプリを一つ、最後まで作りきってみる。その一周で、やり方の全体がつかめます。
PSDDのセットアップ


実際のアプリの作り方


実践的に作りながら、次の三つが自分のものになります。
- 自然言語で頼む … コードを書かず、いつもの言葉で道具を作る
- 先に決める … いきなり作らせず、作りたいものの姿を先に固める
- 対話で具体化する … Claudeとの問診で、困りごとを解決策の形にする
このやり方でコードを書かなかったとしても、どのようにしてアプリが作られていくのか、どのような要素が開発過程で存在するのか、体験しながら学ぶことはあなたの財産になるはずです
自分の現場に近い作例を見たいときは、仮想事例集のシリーズが参考になります。発注リストの作成、検査データの集計、製造記録の読み取りなど、現場の困りごとを一つずつ、同じやり方で解いています。
MATSU皆さんの良い自作ツール開発ライフを送れることを祈っています!!!



